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2020/12/08 営業 経営 提案

コロナに負けるな‼ 頑張るジェルコ会員② 長野県 リフォームワン株式会社

昨年・今年と過去最高の決算からコロナで暗転
成長ビジネスモデルを今こそ大転換
不動産部門つくりシニア層から30代の新たな顧客層へ

今年からジェルコの関東甲信越支部長となったリフォームワン㈱の山崎昇社長。会社は長野県の上田と長野で展開しており、地元の上田ではリフォームでトップシェアを誇る有名店だ。

チラシ戦略と毎月開催の「新築住宅リフォーム祭り」を展開、多くの来場者を集めてきた。チラシの反響率は最近でも600分の1とのこと。こうしたイベントのほかメーカーショールームも活用し見込み客との商談を行い、即概算見積書を出してスピード成約に結びつけるというのが、同社のビジネスモデルと山崎社長は説明する。そうした成果が実を結び毎年決算時には半年分の受注残を抱えるまでになってきた。

会社は山崎社長が24歳の時創業、今年で21年目になるが、昨年19期と今年1月の20期の決算では過去最高となり、経常利益も7%出したという。そんな絶好調のさなかに、コロナ禍が降りかかってきたのだ。

直近の売上は6億円弱で、内訳はリフォームが5億円弱、新築が年間3、4棟で1億円という内容。今期については、「今大体三割減くらいですね。去年結構投資をしていて、不動産部を立ち上げたり営業車を全員支給したり、給与査定の見直しなどいろいろ挑戦していたのです」と山崎社長は語る。「さあ、やろうか」と張り切っていたらコロナが来たというわけだ。

それでも半年分の受注残があったので6月までは完工高で見れば対前年比を上回っていた。「そこからは受注が少ないので落ちています。最近は少し盛り返していますが、落ち込んだ期間のものは取り返せない」と山崎社長は覚悟する。コロナでメーカーショールームが借りられなくなり、新規顧客を獲得するビジネスモデルがうまく使えなかったと反省する。

コロナの状況も、上田市は人口16万人で長野県で3番目の都市だが、地元で感染者が出たりして市内は人出がなくなり、「上田の飲み屋街はゴーストタウン状態」だという。また景気冷え込みの原因はもう一つある。「地方は、大手のほかにも中小零細の製造業が多いのですが、ここが仕事が止まってしまって従業員の給料も下がっている。僕らのお客さんはそういう工場勤めの人も多いので、その人たちが買い渋りしている」と感じている。単価も下がっているし、相見積もりも多くなっている。

ただ、本業で苦戦中のリフォームワンだが、地域ナンバーワンの実績が新たなチャンスを生んでいるし、また安心R住宅やジェルコが進める性能プレミアム住宅などに触発されて、新たな分野への取り組みも始まった。

一つは地域のパワービルダーと提携で、メンテナンスやリフォーム、外構工事の拡大だ。リフォームワンは外壁塗装からスタートして、外構、リフォーム、古民家改修、新築と業容を広げてきた。その中で山崎社長は、当初から新卒者で社員を増やしてきた。現在では全社員の八割が新卒の社員になっている。社長はペンキ職人と営業経験しかなかったので、二級建築士の資格を取るなど、社員の模範となるよう率先して勉強し技術や建築知識を蓄積してきた。新卒社員を育てるため社内勉強会をはじめ価格表、現調シートなど様々なツールも開発してきた。「三年は収益にならないので、辛かったですよ」と語る。しかし、そうした姿勢が営業力だけではない会社の財産となっていて、育ててきた施工力や技術力が地域のパワービルダーとの連携を生み出したようだ。「その会社とは理念共有できたのでしっかりやりたい」と山崎社長は言う。

もう一つは、今年立ち上げた不動産部門の展開である。中古物件のリフォームと販売だ。性能プレミアム住宅もその中で積極的に取り組んでいく。また金沢のヤマダタッケンという会社が展開している「70年代不動産」の代理店となり新規事業として始めた。アパート家賃より安い月額ローンで買えるリフォーム中古物件の販売だ。「70年代のレトロな建物、室内のテーストが受けています。これを思いっきり前に出してやって行こうと思います。今地元に“70’S Oneの家”としてモデルハウスを作っています。10人に1人のニーズですが」と山崎社長は語るが、ここに集まってくる30代を次のターゲット層にしていきたいという思いもある。これまでの顧客はほとんど60代以上シニア層でだったので、コロナで動かなくなった顧客からの大転換を進めてるようだ。

同社ではグループホームも展開しているが、これはジェルコの元支部長の西川さんから教えてもらい始めたという。お客さんたちの中にも障害者がいて、「そういう人たちの役にいつか立ちたい」という思いがあった。実務は同級生の知人に任せていてノータッチだが、「リフォームと福祉は繋がっているから」と社会貢献として地道に進めていく考えだ。

ジェルコの関東甲信越支部長としての抱負を聞くと、「支部の中にリフォーム減税推進委員会というのを作っていただいた。減税への対応では皆さん困っていると思いますので、そこに何か新しいものを作って、皆さんとブラシュアップしながら、リフォームで役立つ減税ノウハウを作っていきたいと思います」と述べている。

リフォームワンでは、この古い教員住宅をモデルハウスに改装中だ。

ノスタルジックな中古住宅を再生しビジネスチャンスにする「70年代不動産」に取り組んでいる。