「壁を乗り越える前に何度も足踏み」
・1億円、3億円、5億円、10億円売上の壁があったと思うが、どこを乗り越えるのが大変だったか。
大変だったというか、10億円というか7億円でずっと踊り場状態になった。
黎明期のリフォームはやっている人が少なかった。しかし、やりたい人は多かった。
今もユーザーは安心安全な業者がわからないという。
当時はもっとリフォーム業者をどこに頼んでいいかわからないと言われた時代でもあった。
飛んで火に入る夏の虫ではないが、ウェルカム状態ですぐ仕事が取れた。
比較的トントン拍子で進んでいった。
新卒を雇う事は格が違うと思っていたが、バブルが崩壊しハウスメーカーが採用を取りやめたので募集をかけてみた。
その頃出始めたホームページに人材募集をとりあえず掲載すると軽い気持ちで始めたところ反響が大きくあり、
人材の確保ができるようになった。その人達は地方から東京の大学や専門学校に入学し地元に戻らない。
中途採用だと勤務先が近いからという理由だけで務めている人が多い。
そのため10,15キロ離れた場所に新規出店して、店長に昇格させても、
その日は喜ぶが、1晩経つとやっぱり無理ですと辞表を提出してくる。
通勤が遠くなったから通えないと言う理由で退職していく。それを何度も繰り返した。
新卒で2,3年スキルを高めてから、転勤するような仕組みに変えることにした。
これに気付くまでの間が壁になり足踏みした原因であった。
「自分でなんでもやらないようにする」
・その時に人事制度、就業規則、給料制度等をつくったのか
カーディーラー務めいていた時に、1人でも雇うために互いのルールのため就業規則を作成するようにした。
生花をやっていた頃は、駅前で、雑誌に掲載されているデザイナーにデザインしてもらった。
雑誌にも掲載され、真っ白な温室風周りをブラックミラーにしたら、夜のライトアップではとても映えた。
従業員がディスプレイしたものを私が直してしまう。それを何回か繰り返してしまった。
3カ月後には従業員がディスプレイをしなくなってしまった。
そこでとにかく自分でなんでもやらないようにすることを学習した。
生花店からカーディーラーを半年務め、その後リフォーム業界に入った。
「人に任せることが難しい」
・次のステップに進むための仕組みとは
ジェルコ以外の奉仕団体にも入会している。業種にもよるが、起業した人は色々なキャラクターがいる。
多くの人は優秀な人が多い。だけどそれは優秀な故に、人に任せることが難しくなる。
トップセールスが社長な場合、自分がやらなかったら社員を雇用しても給料が払えない。
しかし、社員が働いて生産性を持てるようになるためには教育が必要となる。
社長自ら社員を教育しなくてはならなくなり、自分が生産性ある活動ができなくなる。
そこがジレンマとなり、面倒となり、「いいよ、俺がやるよ」となる。
凄く大事なことは任せるということ。それがとても大切。
松下や三洋の話で、松下幸之助さんはなぜ大きな成功ができたのか。
色々な理由があると思うが、大きく分けると3つある。1つは、学歴がなかった。
幸之助の実家が破綻し、義務教育が6年だったころ、お金がないので4年で中退した。
次に、松下の家系は短命だったので、ここぞという時に、
自分が先頭に立たなければならない時に、健康が不安で立てないでいた。
学歴、財産、健康に常に満たされていたら皆に言っても説得力に欠けたと思う。
松下、三洋の話しで次に面白いのが、義弟である三洋電機創業者井植さんである。
松下幸之助とは意見が分かれ独立をした。幸之助を抜いてみせると公言したが抜けなかった。
記者会見でどうして抜けなかったのかを聞かれたところ、
「兄貴は小学校4年だ。俺は小学校6年だ。学歴が邪魔をして兄貴ほど馬鹿になれなかった。」という話しがあった。
人に任せることが非常に難しい。
わかっているが、そこにお金が絡むとさらに難しい。お金の心配が非常に大きくなる。
そこを私の場合は鈍感力で乗り越えた。肝を据えた。10やったことを10なんか戻ってこない。
10やったことの1戻ってくることが私の今までの経験であった。
理屈で考えたら、10のうち9は戻ってこなかったら、収支的に合わない。
でも1が10倍に100倍になれば逆に10倍になる。そう信じ続けるしかない。
私はまだ成功したと思っていないが、多くの人がそこの力の差があったからだと思うし、そこの違いだけだと思う。
私が勝手に思っているだけだと思うが。
「30億円の壁を突破するには」
10億超えた後は仕組みがあると比較的順調に進む。
その次は30億の壁がある。そうするとビジネスモデルというのは、この業界で言えば集客と採用である。
集客は、今高額案件しかやっていないので極めて頻度が低い。
家の持ち率60%だから、広告を打ったりマーケティングしてもお客様の対象は半分しかいないようなビジネスである。
人が物を買うときの消費行動は2つある。1つ、頻度が高いものを購入する時。
缶コーヒーの場合、無糖、微糖、加糖等好みがある。
更に人によっては、メーカーや品名が決まっていたりする。
自動販売機やコンビニで買うものは毎回ほぼ同じ物になる。
頻度の高いものは経験で買う。
だから、全国的知名度のある企業じゃないとダメということになる。
ところが我々のように頻度の低いものを提供する場合は、お客様は今まで行ったことない店に行くことになる。
リフォーム雑誌やネットで初めて調べる。
購買頻度の低いビジネスは、お客様がその需要の必要性の道筋に入った時にその広告を打つというのが凄く大切となる。
ジェルコで知り合った、リクルートの部長と親しくなり、
雑誌の裏表紙の広告にドタキャンが出たから広告を掲載しないかと連絡があった。
ハウスメーカー等の大企業は今日の明日のような短時間で決裁できない。
ところが私どものようなところだと、今日の明日でも決断できる。
その代わり全てお任せになるが、ただ価格は破格だった。
そのような事を何回かお付き合いさせていただき、パッケージで持ってきていただくまでになった。
チラシとは違い全く速攻性はなかった。当時かなり利益もでていたので、種まきだと思い始めた。
1年2年3年続けて3年目でも効果がなく、ここまでやったら効果が出るまでやるか、
もう辞めるかと迷った時に効果が出始めた。
効果が出てモニタリング見にいったら、ハウスメーカーでもリフォームでも
大手企業のバックボーン下の事業体はよく知られているが、その様な企業と互角になれた。
ドナルドトランプ、小池百合子は日本人ならほぼ誰でも知っている。
アフリカか南米の国に行って、ドナルドトランプを知っているかと聞くと知らない人はいない。
日本で互角に有名な小池百合子を知っているかと聞いても、知っている人殆どいない。
それはナショナルブランドだから。
しかしながら、小池百合子とドナルドトランプが東京都知事選で戦うとしたら
世界で誰もが知っているドナルドトランプと日本人しか知らない小池百合子が互角になると思う。
選挙権があるのは東京都民だけなので、知名度というところでは互角となる。
その様なところがこのビジネスと理解し、そういう広告活動をしていこうと策を練っている。