株式会社フレッシュハウス 相談役 佐野 士朗氏 VOL2
「自分の念いを書き込んだ募集広告」
リフォーム事業とは何かというと、労働集約型(産業)!これしかない!
これをわかっていない人が多い。つまり、人なんです!
人が来る環境、人が来るようにどうしたらいいのかが問題で、良い人材確保をすれば売り上げが伸びる。今はネットで人材募集ができるが、当時は新聞の折込チラシ等で募集をしていた。最初の1,2回はチラシの端っこに名刺位の大きさの募集広告を載せていたが、反響がない。それはそうだと思った。自分が次にお世話になる、将来を賭けるような会社が名刺大の広告だったら、「この会社でいいのかな・・」と思われてしまう。
少しでも良く見られるように、価格が高くて質の良い広告会社へ制作を依頼し、一流企業と同じような広告を打った。一流企業との差別化を図るために、どういう会社にしたいか、これからのリフォームはどうなるかなど、空白がないぐらいびっしりと自分の念いを書き込んだ広告にした。広告の効果があり、地元の信用金庫から綺麗な女性が2人面接に来てくれた。
その頃の事務所は建物内にトイレがなく、外に簡易トイレがある、あまりいい環境ではなかった。そんな条件の会社にとても綺麗な女性2人がよく来てくれたなと感心してしまった。
応募理由を聞いてみたところ、広告に書いてあった言葉にとても感動したからという理由だった。
広告をみて感動したという応募者がどんどん増えてきたが面接に来る人は少なかった。
当時はあまりにもお金がなく、22.5坪8万円馬小屋のような事務所で、事務所の前の道は舗装されていなかった。
応募者のうちの1人で今でも働いている社員から、「実は面接に来るのは2回目で、1回目は事務所を見て帰ってしまった。しかし2店舗3店舗と増えて成長している御社で働きたいので再度応募した」と暴露された。そんな事実を知ってから、面接に来る人には「事務所の場所がわかりにくいから近くのコンビニまで迎えにいきます」と伝え、車で迎えに行った。そうすると事務所を見て逃げることが出来なくなる。(笑)
従業員だけでなく、お客様も同じだった。事務所に来ると契約が決まらない事が多々あった。でも、是非来てみたいと言う人も中にはいた。契約してくれた人もいた。ある日、地元の優力企業 高千穂電気の長友社長さんが私の会社をどうしても見たいと言ってきた。見せるほどの物でもないと一旦はお断りしたが、やっぱりどうしても来たいと電話があり、来社された。
「こんな感じだと思っていた、俺もアパートの2畳から始めたんだよ」と言われ涙が出た。それからずっと今でも応援させていただいている。
「社員を増やすことが仕事」
3億の壁を乗り越えられたのは労働集約型だったから。
人で苦労した。従業員数は妻を入れて3人。面接をしても、どこの会社でも御払い箱になったような人ばかりくる。良い人材が面接に来ると、最低2時間割いた。
いかにこの会社をよくしていこうと熱弁した。
面接が通っても、既婚者の方は奥様に反対されて辞退する。独身や良い関係を築けた人だけが入社した。
リフォームのいいところは量が多く現場が多い。
入金管理をしっかりする。売掛金の回収は確実に行う。伸びない会社は集金が月末に偏りがちになる。契約金、着工金、中間金、最終金は2332割を必ず回収する。集金を徹底して行ってきたのでキャッシュフローがいい。人手を多くすることと、キャッシュフローさえしっかり管理すれば確実に儲かる。
パナソニックさんの屋根の工事させていただいた際に、企業として社員15人以上になるように努力することが大事だと言われた。社員を増やすことが仕事だと思う。
2000年には3億を越え、従業員も20人。
人を採用することはそれは大変なことで、気合を入れて、覚悟を持たないと人は集まらない。
人材を集めても人件費固定費が増えるので、そこまで踏み切れなく2、3億円で終わってしまう。
その次は9億円の壁を越えられた。わずか1年半で急成長した。
その時は鳥が自分の頭の上を通ったら絶対落ちると思った。(笑)
2001年に静岡県のオレンジハウスさんと一緒にジェルコへ入会した。